野生動物学教室

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エジンバラ学生研修2013

2013年9月7日

昨日まで北海道獣医師会3学会のため帯広にいたのが、間髪入れずにエジンバラに向けて出発となった。朝5時40分のバスで千歳空港に向かう。少々暑さの残る札幌であるが、エジンバラの寒さ(?)を考えて厚手のジャケットにした。大きな問題なく成田経由でKL864便に乗る。景気回復の影響か欧州に旅行する客は多く、ほぼ満員で成田を離陸した。オランダ人は概して大柄であるが、女性も大きいのには困った。私の横をアテンダントが通るたびに肩を突いていくのである。機内食は意外に美味しかった。アイスクリームまで出たし…。およそ11時間のフライトは発表準備と映画2本であまり退屈することなく終えた。アムステルダム(スキポール空港)での待ち合わせはちょっと眠くて、うつらうつらしている間に搭乗が始まっていた。夜9時半に無事にエジンバラ空港に着き、稲葉先生、柳川先生と合流できた。すぐにタクシーで宿に向かう(23ポンド)。宿では偶然大橋君と会うことができ、これまでの状況と明日の予定を知ることができた。研修はほぼ順調に進んでいるようである。明日からの仕事への期待と不安の中で眠りに就く。

 

9月8日

朝10:30発の列車に乗るために、9:45に宿を出発。大橋先生と学生4名、途中から柳川先生と事務の両鈴木さんが合流し、9名で海鳥の観察地に赴いた。天気はよくスコットランドらしい青空が広がっている。2時のボートを予約し、それまで自由に時間を過ごした。のんびりとコーヒーを飲みながら眼前に広がる大西洋を眺めて時間をつぶした。2時のボートは満員状態であった。シロカツオドリが今だ残っており、島一面にへばりついているという。よく見ると、島が白いのはすべてカツオドリによるものであった。15万羽ものカツオドリがコロニーを作っており、その飛翔する無数のカツオドリの群棲は壮観であった。いいものを見せてもらったという感じであった。4時半頃の列車でエジンバラに戻り、6時から研究科長も合流して夕食を楽しんだ。アトランティックサーモンとビール、ワインを楽しみ30ポンドの出費。

 

9月9日

今日は最も大事な1日である。朝から緊張して出発を待った。朝8:06のバスで大学に向かおうとしたら昨日からバスの時間が変更になっており、8:00発になっていた。危なく乗り損ねるところであったが、何とか乗り込むことができた。学生2人は乗り遅れてタクシーで来ることに。大学に着くと早速久しぶりにアラスターと会い、再会の握手を交わした。コンファレンスは9:30から始まり、われわれ北大の教員3名の発表も無事に終了した。学生も頑張って英語で発表してくれた。いい研究交流の機会を持てたと思う。これは来年以降も継続したいものである。途中学部長との打合せ会議が入り、30分ほど別室で今後の交流事業について打ち合わせを行った。学部生の交換留学は引き続き継続し、さらに大学院生を含む研究ベースの交流も始めたい旨申し入れを行った。できる分野から順次行っていきましょうという話に落ち着いた。さらに、将来的にはAVMAやEVMAなどのアクレディテーションをクリアするための手段についても前向きな返答がもらえた。新渡戸カレッジの受入先にもなってくれそうだが、もう少しこちら側の進め方を詰める必要がある。17時にはすべて終了し、宿に戻った。昨日と同様、教員4名と事務員2人で夕食を取るためにエジンバラの街中に繰り出した。美味しい魚介料理をワイン、スコッチウイスキーとともにいただくことができた。話題は結局のところ研究内のちょっとしたいざこざの話に相成りました。

 

9月10日

朝8:45大橋先生と別れの挨拶を交わし、われわれはニールの運転でミニバスを使って一路スターリングに向かった。スターリング大学水産学部での魚の養殖に関する研究を紹介いただいた。とくにテラピアの養殖に力を注いでいるようで、稚魚から成魚まで各段階のテラピアを見せていただいた。獣医師の教授も1人おられて魚養殖の産業としての重要性を説いておられた。2時間ほど見学と説明をしていただいた。
途中のドライブインで軽く昼食をとった後、ファーブッシュに向かう。3年前の印象と同じスコットランドらしい風景が広がる湖のほとりに辿り着いた。早速今日の活動についての説明を聞き、セーリングとカヤックに分かれて2時間ほど楽しんだ。私はカヤックを選び、久しぶりのオール漕ぎを楽しんだが、最後に転覆しかけてカッコ悪い姿をさらしてしまった。まあ御愛嬌。7時からの夕食、その後のバーで軽く喉を潤して眠りに就く。学生たちは遅くまで騒いでいたようだ。

 

9月11日

朝飯を食べた後すぐにハイランド野生動物公園(いわゆるサファリパーク)に向かう。途中車窓からみる景観はいかにもハイランドそのものであった。あまり森林はなく、草地がむき出しになった丘陵地が続くといった感じである。昼頃当地に着き、持参したサンドイッチなどを食べる。午後は、スタッフがついてくれて公園内を案内してくれた。ヨーロッパバイソンやクズリ、ヤマネコ(あまりイエネコとかわらない風)などはスコットランドの野生動物ということで珍しかった。ホッキョクグマが一つの目玉になっているようで、草地に放されているホッキョクグマを見たのは初めてであった。その後1時間ほどのレクチャーを受け、スコットランドの野生動物保全について勉強させてもらった。考えていることが日本と大差ないようで、動物園(飼育個体)の役割について大いに語ってくれた。4時過ぎに出発し、3時間ほどのドライブでエジンバラに戻ってきた。夜はTESCOというスーパーマーケットで買い込んだビール、ワイン、サラダなどで夕食を済ませた。

 

9月12日

研修最終日。8時半のバスで獣医学部に向かう。9時半にニールと会い、最後のレクチャーを受けた。アカリスの保全についてであったが、外来種であるハイイロリスに棲みかを奪われ、今やアカリスの分布はスコットランドの一部を残すのみとなっている。とくに、ハイイロリスが持ち込んだポックスウイルスの脅威を受けて、生息数が減少しているという問題は深刻である。Annaらと共同研究をしているということで、さらなるモニタリングが必要という話で結ばれた。とても人のよさそうな研究者で、すぐに私のクマ研究について検索したとメールをくれた。基本的にスコットランド人は人がいいと思う。レクチャー後、最後の記念写真を撮って、ニールと別れた。2週間の長い研修が終了し、学生もホッとしたようだ。午後は各自土産を買いに街に繰り出していった。私は一度宿に戻って、明日のタクシーの予約を入れた。その時にメールをチェックするとニールからのメールがあり、今晩予約しようとしてくれたスコティッシュ料理レストラン(ウォータールー通りのHowies)は結婚式のためやっていないという。代わりに別のレストラン(ビクトリア通りのHowies)を予約してくれたのであるが、それをどうやって学生に伝えたらいいものか、とにかく街に出て学生を探してみることにする。縁があれば学生に会えるだろうし、縁がなければそれまでだと思いつつ街を歩いていたら、なんと5人もの学生と会ってしまった。ということで、夕食は全員でスコティッシュ料理を楽しんだ。ワインを2本注文したこともあって全部で300ポンドもかかってしまった。学生には一人20ポンドを負担してもらい、残り120ポンドを支払った。まあそのくらいは奢ってもいいだろうと思った。学生のお世話はある面たいへんであるが、いい交流になっているだろうと信じて私の任務も終了した。

 

 

9月13日

朝6時半にチェックアウトし、タクシーで空港へ。しこたまスコッチウイスキーを買い込み、帰途についた。

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